Lex MachinaとLexisNexisは、連邦地裁における著作権と商標の訴訟動向を調べた「Copyright and Trademark Litigation Report」を発表しました。2018年から2020年の3年間に焦点を当て分析されています。
著作権侵害訴訟
著作権侵害訴訟は、2015年と2018年にピーク。大量のファイルシェアリング事件が件数を増加させた。しかし、パンデミックの影響からか、2019年から2020年にかけての訴訟件数は減少。
原告の上位2社はアダルトコンテンツの制作元で、海賊版を告発。全体の82%の割合で和解が成立していて、この和解率は分野別に見てもとても高い数値。
また、債務不履行(default)による認定と損害賠償が一般的で、過去3年間における著作権法に基づく法定損害賠償額(Statutory Damages)は約23億ドルにおよぶ。
著作権侵害訴訟の場合、法定損害賠償額は、侵害が故意に行われたかどうかに応じて、1作品につき750ドルから15万ドルと大きな幅がある。著作権法第504条
商標侵害訴訟
2020年、商標侵害訴訟は減少し3,778件に。前年とくらべると14%の減少。これは過去10年間で最も少ない訴訟件数です。訴訟の内容を見ると、希釈化(dilution)関連は過去10年間で59%減少し、サイバースクワッティングに関する請求は50%減少。
債務不履行(default)が全体の15%を占めていて、和解で解決したケースは56%にとどまりまる。
過去3年間におけるランハム法に基づく法定損害賠償額(Statutory Damages)は約49億ドルにおよぶ。
商標侵害訴訟の場合、法定損害賠償額は、侵害が故意に行われたかどうかに応じて、偽造商標1つにつき1,000ドル以上200万ドル以下と大きな幅がある。15 U.S. Code § 1116
参考文献:Lex Machina Releases 2021 Copyright and Trademark Litigation Report