CAFCが判決文を訂正:IPR禁反言は挑戦されたクレームにのみ適用される

CAFCが判決文を訂正するのはめずらしいことで、私も初めて見ました。過去の判例とそぐわない判決や、関連法律との相互性が取れないような判例もあり、それらは「わずかな違い」に見えても将来の訴訟で大きな論点になることがあります。判例は今後の訴訟にも影響を与えるものなので、このように素早い訂正はうれしいことです。

オリジナル判例:California Institute of Technology v. Broadcom Limited, Appeal Nos. 2020-2222, 2021-1527 (Fed. Cir. Feb. 4, 2022)

正誤表(errata):California Institute of Technology v. Broadcom Limited, Case No.20-2222; 21-1527 (Fed. Cir. Feb. 22, 2022)

IPRでおこる禁反言(estoppel)に関するCAFCの判決を訂正

米国連邦巡回控訴裁(CAFC)は、California Institute of Technology v. Broadcom Limited(Caltech)の判決文に正誤表(errata)を出し、35 USC § 315(e)に基づく当事者間審査(IPR)の禁反言(Estoppel)は未申告クレーム(unasserted claims)に適用しないことを明確にしました。

裁判所は、原意見において、禁反言は「IPRに記載されていないが、合理的に申立書に記載することができた全てのクレームと理由に適用される」と述べています。この記述の「クレーム」の部分は、最終書面決定の対象となった特許クレームにのみ適用される(すなわち、IPR手続の対象とならなかった特許クレームには適用されない)という315条(e)の範囲と矛盾しているように思われました。

なので、混乱をなくすため、CAFCは、「クレーム」という用語を削除することで意見を修正しました。また、CAFCは、その後のIPR禁反言判決(Intuitive Surgical, Inc. v. Ethicon LLC)においてもこの点を明確にしており、CAFCは、申立人が§315(e)(1)禁反言を避けるためにクレームごとに別々の申立をすることができると助言しています。

CAFCによるCaltech判決文の全変更は以下の通りです。

参考記事:Federal Circuit Issues Errata: IPR Estoppel Applies Only to Challenged Claims

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