アメリカのBRIとその境界線

アメリカの特許審査で用いられるBRI(broadest reasonable interpretation)の考え方は広い。けれども、広すぎる解釈の適用は不適切。審査官がその境界線を超えていることをを指摘するのに、今回のケースはいい判例かも。

判例:Ex parte Argembeaux 

審査官は、拒絶理由を述べる際に先行文献として米国特許を使用することが多く、特許のクレームを証拠として引用することもあります。しかし、Ex parte Argembeauxにおいて、PTABは、クレームされている範囲は、それ自体、先行文献の全体的な教示を拡大解釈するために使用できないことを明確にしました。

Argembeauxのクレームは、5%以下の水を含む皮膚洗浄剤に関するものでした。審査官は、米国特許であるフランクリンのクレーム13のみを引用して、審査中のクレームの新規性と自明性の両方を否定し、拒絶の根拠としました。

先行文献として用いられたフランクリンのクレーム13には、出願人のクレームに記載されているほとんどの構成要素が記載されていたが、「」だけが記載されていませんでした。このように1つの要素がかけていましたが、審査官はフランクリンのクレームに記載されている構成要素から出願人のクレームには新規性がないと判断し、保険のために、同時に同じ理由で自明性もないとして拒絶したようです。

しかし、PTABにおいて審査会は、審査官の新規性・進歩性による拒絶を覆します。というのも、明細書を読むとフランクリンが水性または水性-アルコール性担体を好むと明示していることは明らかで、フランクリンのすべての実施例が5%を大幅に超えるを使用していました。それらを考慮して、審査会は、「フランクリンのクレームに水の記載がないことは、組成物が必ずしも水を含まないことを肯定的に開示していることになる」という審査官の主張を退け、両拒絶を取り消しました

フランクリンの開示内容を総合的に判断した結果、水は記載された組成物から省略可能な任意の成分に過ぎないと断言する明示的な開示がないことから、審査会は、通常の技術を有する者であれば、5%未満の水を含むクレームされた組成物を直ちに想像することも(予期)、導かれることも(自明)ないと判断しました。

このように、Argembeaux事件は、審査官が米国特許のクレームを、明細書の基礎となる記載の範囲外の先行技術の証拠として不適切に依拠した場合の拒絶に反論する際に有用だと思われます。

参考文献:PATENT CLAIMS AS PRIOR ART- No Broadening Beyond Specification Disclosure

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