別個に列挙された要素は別個の構成要素:Regeneron事件から学ぶ製剤特許の解釈

A diagram or chart illustrating the Regeneron v. Mylan patent case and the legal principles of claim interpretation involving separate claim elements and pharmaceutical patent design strategies

CAFCによる2025年3月のRegeneron v. Mylan事件判決は、バイオ医薬品特許実務に大きな影響を与えています。CAFCは「別個に列挙された要素は発明の別個の構成要素である」というBecton原則を適用し、Regeneron社の特許クレームにおける「VEGF阻害剤」と「バッファー」が別個の構成要素であると判断しました。特許侵害を主張されたAmgen社は、アフリバーセプト自体にバッファリング能力を持たせることで別個のバッファー成分を不要にする革新的な製剤設計により非侵害の判断を勝ち取りました。本記事では、この判決が示す内在的証拠の優位性、製剤クレームの解釈、そして特許出願戦略への実務的影響を詳細に解説し、特に成分の多機能性を明示的に記載することの重要性や、将来の設計回避を予測した防御的クレーム戦略の必要性など、バイオ医薬品特許の権利行使成功のための具体的な教訓を提供します。

医薬品特許におけると明細書記載要件 – Novartis v. Torrent Pharma事件判決の実務的影響

A schematic or flowchart illustrating the key legal principles from the Novartis v. Torrent Pharma patent case regarding secondary considerations in pharmaceutical patent law

CAFCが2025年1月に下したNovartis v. Torrent Pharma判決では、「発明時に未知だった後発技術は明細書記載要件の判断に影響しない」という原則が明確に示され、発明後に発見された複合体形成という現象が明細書に記載されていなくても特許は有効であると判断されました。注目すべきは、CAFCが「クレームされたものは何か」と「クレームされたものは明細書に記載されているか」という二段階の分析を明確に区別し、侵害判断と特許性判断の混同を厳しく批判した点です。Amgen v. Sanofi判決やIn re Hogan判決の先例を引用しながら、バルサルタンとサクビトリルという二つの有効成分の「組み合わせ」を保護するNovartisの特許が実施可能要件と非自明性も満たすと結論づけたこの判決は、クレーム範囲の解釈と明細書記載要件の関係について特許実務家に重要な指針を提供しています。