2022年 米国特許出願統計データ

米国特許庁の速報データによると、2022年度(2021年10月1日~2022年9月30日)の特許出願件数は646,855件でした。これは、2021年の出願件数より若干減少しています。これらの出願の内訳は、通常出願(utility applications)が589,155件、意匠出願(design application)が54,476件、植物出願(plant applications)が918件となっています。また、147,339件の仮出願(provisional applications )が行われました。

2022年度に取得された特許は、通常特許325,445件、意匠特許34,370件、植物特許1138件など、合計382,559件に上ります。

また、特許庁は、通常出願の平均審査期間は、出願から処分(付与または放棄)まで25.2カ月であると述べています。

発行された米国特許の約56%は外国企業に付与されており、首位はサムスンで、2022年に6248件の米国特許を取得しました。米国発行特許の2位はIBMで、4398件(2021年特許から約50%減しています)。

その他の米国特許取得トップ10は以下の通りです:Taiwan Semiconductor, Huawei Technologies, Canon, LG Electronics, Qualcomm, Intel, Apple and Toyota. 

世界的に見ると、2022年の特許上位10社は以下の通りです:Panasonic Holdings Corp; Samsung Electronics Co. Ltd., Hitachi Ltd.; Chinese Academy of Sciences CAS, Canon Inc., Toshiba Corp., Midea Group Co. Ltd., Toyota Motor Corp., Mitsubishi Electric Corp, and China State Construction Engineering Corp.

国別では、米国企業が最も多く、次いで日本、中国、韓国、ドイツ、台湾、フランス、英国、スイス、カナダの企業でした。明らかに、アジア企業は米国特許に価値を見出していていますが、中国国内の出願の伸びも無視できません。米国の出願件数(14万件以上)は中国(約2万5千件)の約7倍でしたが、中国の出願件数は2021年の出願件数と比較して、最も高い伸び率を示しています。

調査会社IFI Claims Patent Servicesによると、米国特許出願のトップ10テクノロジーは以下の通りです:

  1. Autonomous vehicles;
  2. Electrical digital data processing;
  3. Earth drilling for oil, gas and water;
  4. Computer arrangements based on biological models
  5. Electrical Smoking devices;
  6. Quantum computers;
  7. Cigarettes;
  8. 3D culture;
  9. Machine Learning; and
  10. Breathing masks.

参考記事:2022 U.S. Patent Filings Statistics

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