2018年ITC統計
ITCにとって2018年はとても忙しい年になりました。FY2018で、新しく始まった調査の数は74件、同じ期間に61件しか調査が完了していなかったので、現在調査中の案件が過去最高の130件になりました。
ITCにとって2018年はとても忙しい年になりました。FY2018で、新しく始まった調査の数は74件、同じ期間に61件しか調査が完了していなかったので、現在調査中の案件が過去最高の130件になりました。
2019年1月7日現在、アメリカ連邦政府機関の一部が停止しています。今回は、知財に関わりそうな組織を中心にGovernment Shutdownによる現在の影響をまとめてみました。
Appleがアメリカに輸入しているiPhoneがQualcommのアメリカ特許を侵害していると判断したにもかかわらず、iPhoneの輸入規制をしないという判決がITCのInitial Determination判決で下ったことは前回お伝えしましたが、その判決がITCパネルによってレビューされることになりました。
ITC において輸入品の特許侵害が確定した場合、Consent Order が発行されアメリカへの輸入と販売ができなくなります。また、もし Consent Order が発行されてから1日でも侵害品を販売してしまった場合、故意でなくとも、高額な違反金の支払いが命じられる可能性があるので注意が必要です。
ITC commissionは、ALJの判決を覆し、販売前の商用ではない研究用のプロトタイプであってもITC調査を始める条件の1つであるdomestic industry requirementを満たすとしました。
ITC 調査の対象になっている Respondent が、ITC の対象になっている特許をIPR で無効にしようとしていた場合、ITC 調査において IPR Estoppelが 適用され、特許無効理由の一部を主張できなくなってしまいます。しかし、同じ主張でも、IPR の当事者でなかった the Office of Unfair Imports Investigations Staff (“Staff”)が主張すれば、IPR Estoppel が適用されないという判決が下されました。
ITC 行政判事は、Apple がアメリカに輸入している iPhone が Qualcomm のアメリカ特許を侵害していると判断したにもかかわらず、iPhone の輸入規制をしないという判決を下しました。これは輸入規制をした際の Public interest を懸念したものですが、今後は、ITCパネルによるレビューや大統領のレビューもあり、この判決が変わる可能性もあります。
対象製品がアメリカに輸入されているのであれば、ITC のGeneral Exclusion Order (“GEO”)によって、販売者が特定しづらいオンライン販売でも対象製品がアメリカに輸入されることを防ぐことができます。
Lord行政判事は、 ITC調査において、ITC を開始するための条件の1つである経済要件は申立人の投資全体に対して比較されるものではないとしました。つまり、特許で守られている ITC 調査の対象となっている製品に対する投資額が全体の投資額よりも極端に低いという理由から、経済要件が満たされていないと主張することはできなくなりました。